いびき・睡眠時無呼吸症候群

いびきは「音がうるさい」ということだけでなく、程度がひどい場合には睡眠中に低呼吸、無呼吸を起こしているということがわかってきました。夜間に適切な睡眠が取れていないと、日中の集中力の不足、倦怠感、眠気が強くなり仕事上のミスや学業成績の低下、ひいては居眠り運転や交通事故も招きかねません。小児では発育不良、成人では重度の場合突然死などの心疾患、脳出血などの致命的な疾患を招く可能性があるとされています。
睡眠時間を十分に取っているにもかかわらず疲れがとれないような方は要注意です。

メカニズム

正常
正常な状態では、横になっても鼻と口から入った空気はスムーズに気管から肺へと送られます。
無呼吸状態
口蓋垂(のどちんこ)、舌根が後ろに落ちることで気流によっていびきが生じます。気流が途絶えた状態が無呼吸です。眠っていても脳には酸素が到達しません。
睡眠中の酸素と脈拍
赤線は睡眠中の酸素を示します。上の正常と比べると下の人では入眠わずか10分後位から酸素が低下し、ギザギザと血中酸素濃度が低下しているのがわかります。
STEP 3
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原因

要因は多岐にわたります。成人ではどちらかというと複合的な場合が少なくないようです。
鼻閉(アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、アデノイド肥大)

のど
扁桃肥大、舌根扁桃肥大
肥満
*
形態・骨格など
あごが小さい、軟口蓋が長い、顎顔面の先天奇形など
加齢
筋力の低下
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症状

日中の症状

眠気に眠気を感じる、傾眠
倦怠感、抑うつ
起床時の頭痛
ぐっすり眠った感じがない
咳(夜~日中)
性欲低下、勃起困難
活動性低下
認知能低下

夜間の症状

いびきをかく
睡眠中、呼吸が止まる
窒息感、動悸
不眠(中途覚醒、熟眠感欠如)
開口に伴う口渇、流涎
悪夢
夜間頻尿
多動
寝汗
歯ぎしり

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診断

自覚症状だけでは正確な診断はできません。

睡眠中の血液中の酸素を調べることで評価することができます。正確な検査は一泊入院しての睡眠ポリグラフ検査(ポリソムノグラフィー:PSG)が行われます。当院では簡易PSGを行うことができます。簡易PSGならご自宅で行い、その後データを分析することができます。

1時間に何回呼吸が止まっているかを示す指標AHI(apnea hypopnea index)が指標となります。AHIが40を超える場合は重症と判断されすぐにCPAP治療を行うことが推奨されています。AHIが20~40の場合には精密検査の上、CPAPの必要性を判断します。この場合は入院での検査が必要です。AHIが5~20の場合には症状に応じて口腔内装具(マウスピース)が検討されます。

簡略化すると上のようになります。
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合併症

高血圧
不整脈
心筋梗塞
脳出血
糖尿病

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対策と治療

鼻や咽頭に問題がある場合はその治療が優先されます。肥満傾向の方は運動や食事コントロールがとても重要です。自覚症状が顕著な方はCPAP治療が不可欠と考えられます。
生活習慣の改善
減量
睡眠薬の見直し
飲酒の見直し

薬剤
鼻閉の関与が強い場合には薬剤も有効です。
・抗アレルギー剤
・ステロイド点鼻薬

手術
扁桃摘出術
アデノイド切除術
口蓋垂口蓋咽頭形成術
鼻副鼻腔手術
レーザー手術など
マウスピース
歯科にて
CPAP
側臥位睡眠促進枕
一定の効果はあるようですが、若干効果は不安定です。中等~重症の方はあくまで補助的に使用すべきです。
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エプワース眠気尺度

眠気の自己チェック表です。合計点数が11点以上だと睡眠時無呼吸症候群の疑いが強いとされています。

よくあるご質問

実際の公開ページでは回答部分が閉じた状態で表示されます。
  • マウスピースはどうすれば使えますか?

    マウスピースが必要と診断した方にはご希望の歯科あてに当院から紹介状を作成致します。歯科で作って頂いたマウスピースを使用して頂くことになります。
  • CPAP治療について ①毎月受診しなければなりませんか?

    基本的には毎月通院して頂くことになります。当院の方からCPAP機器の管理をしている業者に費用をお支払いすることになっています。
  • CPAP治療について ②継続して治療したら治りますか?

    CPAPは適切な睡眠が得られるように用いる器械です。使用するだけで体重が減ったり、鼻やのどの構造が広がっていく器械ではありません。使用しているときは適切な睡眠は得られますが、やめてしまうと戻ってしまいます。
    その間に食事コントロール、運動による減量や鼻の治療などを平行して行うと軽症化していくこともあります。

     

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最後に

日常生活の正常なパフォーマンスを維持するためにも、予期せぬ致命的なトラブルを防止するためにも睡眠はとても重要です。多忙な生活のなかで、どのように良質な睡眠が維持できるかを考えていきましょう。

治療

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